転職活動の一番初めに「自己分析」が必須って聞いたけどどうすればいいの?
そもそも自己分析って何?
自分にベストな職場を探し当てるにはどうすればいいの?
今回はこのような悩みや疑問にお答えします。
いざ転職しようと思っていても、何からやっていけばいいのかわからないと思います。今回の記事では、転職準備に大切な自己分析について解説していきます。
結論、転職活動で自己分析は一番初めにやっておくべき事でとっても大切!
なぜなら、一番初めに適切な自己分析を行うことで自分の希望や好条件を明確化することでできます。結果、転職活動の初期から終盤までブレずに転職活動ができるからです。
僕自身もブラック総合病院から転職した際に、自己分析にしっかりと時間をかけたことで転職を成功させることができました。
自己分析とは?
自己分析とは、自分のスキルやキャリアを客観的に整理してまとめること。
自己分析をすることによって自分の希望や強みを明確にすることができます。
プライベートに関することも考えることが大切です。
例えば、子供が2人いて1人目は保育園。2人目は誕生したばかりで1歳にもなっていない。そのような状況でパートナーは正職員で夜勤あり。その状況で、あなたが同じように正職員の休みも取得しずらいハードな職場に転職したらどうでしょうか。
1人目の子が熱発して、保育園から急遽迎えにくるよう連絡があるかもしれません。このようなご時世なので、保育園や小学校も閉鎖になるかもしれません。
看護師としてのスキルやキャリアの分析ももちろん大切ですが、プライベートや家庭での自らの立場や状況もしっかりと分析することが転職活動においては重要です。
自己分析をするメリット
自己分析をするメリットは下記の通りです。
自己分析を行うのは履歴書の作成や面接の対策に役立つだけでなく、自分の人生を再考するキッカケにもなります。
- 自分の強み・弱みを知れる
- 自分の看護観に気づける
- 自分の嫌い・苦手を知りそれにかける時間を最小限にできる
- 自分に合った転職の条件を明確化することができる
- 将来を考えるキッカケになる
- 履歴書や面接対策になる
自己分析を行うことにより、自分を客観的に評価することができ、普段は考える時間がありませんが改めて自らの看護観(自分はどんな看護師でありたいか)を分析することができます。
自分の強み・弱みを知れるだけでなく、嫌いなことや苦手なことが具体的に何なのか?に気づくこともできます。そこに気づけることで、嫌いなこと・苦手なことにかける時間を最小限にすることができます。
結果、楽しいことや好きなことに時間を注げるようになれます。
具体的な自己分析方法 ~STEP5~
転職において自己分析がとても大切なことは分かったけど、どんな流れでやっていけばいいの?
自分に合った転職先を見つけるための、自己分析方法を5つのSTEPで具体的に紹介していきます。
自己分析方法は以下の通りです。
- 転職したい理由・・・なぜ今の職場から転職をしたいと思ったのか。
- 振り返り・・・今までの経歴や経験
- やりたいこと・・・転職して何をやりたいか。興味があること。
- できること・・・今の自分が出来ること。得意なこと。得意な領域。
- 求められていること・・・自分に求められていることは何か。
それぞれのSTEPを説明していきます。
頭の中で整理するよりも、紙に書きだしたほうが整理しやすいです。
PCのwordが効率がいいのでオススメです。
【STEP1】転職したい理由
STEP1は転職したい理由・・・なぜ今の職場から転職をしたいと思ったのか。これを説明していきます。
ここで重要になってくるのが転職目的の明確化です。
目的を明確にしないと、「なんとなく嫌だから」「もうちょっと楽な職場がないかなー。」という軽い気持ちだけで転職活動を進めてしまうと、結果無意味な転職を繰り返してしまいます。
そのため、最も大事な土台である転職理由を整理するには1日以上の時間をかけてじっくりと整理しましょう。
転職目的を明確化するために、洗い出しておくべき重要なことがあります。それは・・・
転職条件で譲れない事を決めておくことです。
まずは思いつくままに転職で望むことを書き出してみましょう。書き出したらそれぞれに優先順位をつけてみます。
例)転職で譲れない事 | 優先順位 |
・夜勤がない ・残業がない ・休みを取りやすい ・研修が少ない ・人間関係がいい ・給料が高い ・スキルアップできる | 1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 |
転職に望むことを整理してみると、どのような職場を選んでいったらいいのか客観的に見えてきます。
また、おのずと転職で譲れない事もはっきりとしてきます。
【STEP2】振り返り
STEP2は振り返り・・・今までの経歴や経験。これを説明していきます。
これはシンプルで看護師としての経験や仕事について振り返っていきます。
とっても簡単で、下の項目ごとに洗い出していくだけです。
- 新卒で初めて就職した病院
- 今まで仕事をしてきた職場
- 勤務地
- 経験のある科や領域
- 看護師としてのブランク歴、産休・育休時期と期間
ここは応募する履歴書にも記載する部分なので、ついでに西暦何年、何月まで整理しておくと効率がいいです。
経験のある仕事内容・スキル・看護技術はなにか?
いままでの看護師経験の仕事内容を振り返ってみましょう。
自分が経験した仕事や技術を洗い出すことで、看護師としての自分を客観視することができます。
例えば・・・
- できる又は経験のある看護技術はどのようなものがあるか?
- 患者および患者家族とのコミュニケーションは得意なのか?
- 採血や点滴、注射(皮下や筋肉)はできるのか?
- 心電図と向き合った経験があるのか?
などが挙げられます。
また、できることだけでなく失敗経験や苦手なことも整理しておきましょう。
例えば・・・
- ヒヤリハット・インシデント・アクシデントが多かったのはどのような事だったか?
- 経験のない、あえて避けてきた、不得意な看護技術やスキル
- 苦手な患者のタイプ
などが挙げられます。
看護師としての強みだけでなく弱い部分も洗い出しておくことで、自分の得意な分野・苦手な分野を振り返ると自分の理解が深まります。
自分のやる気ポイント
「看護師は感情労働」このような言葉を聞いたことはありませんか?
普段のオムツ交換や、体位変換、トランスファーなど自分の身体酷使することは看護師としては避けて通れません。
このような肉体労働はもちろんですが、同時に看護師は「死と向き合う」仕事でもあるため精神的な負担が多いです。
また、無理な要求や罵声を浴びせてくる患者や家族、スタッフ間の人間関係不良の慢性化など精神的に疲弊してしまい、看護師としてバーンアウト(燃え尽き症候群)に陥ってしまう方もたくさんいます。
引用:バーンアウトとは?自分を大事にしながら働こう!
看護師人生の中でいつやる気がでたのか、はたまたいつやる気がなくなったのかを把握しておくと自分の看護師としての感情を客観視できます。
やる気が上がった時には何があったのか?
例)先輩や上司、同僚から看護技術やコミュニケーションを褒められた。
例)退院した患者やその家族がわざわざ会いに来てくれて、やりがいを感じた。
例)呼吸器管理している担当患者の排痰ケアに注力したら、レントゲンの陰影が改善した。
例)患者やその家族から「担当があなたでよかった」と言われてやりがいを感じた。
このようにやる気が看護師としてやりがいを感じた場面や、やる気が上がったことを思い出してみましょう。
また、それとは対照的にやる気が下がった時はどんなことがあったのかも洗い出しましょう。
やる気が下がった時には何があったのか?
例)先輩や上司から「私がやったほうが早く仕事が終わるから」と捨てセリフを吐かれて仕事を横取りされた。
例)モンスターペイシェントの担当になったせいでその患者から無理難題を言われた。
例)先輩と上司の板挟みにあった。
例)医者どおしの板挟みにあった。
看護師は患者だけでなく、スタッフや医者との板挟みにあいがちです。
このように看護師としてやる気が下がった、萎えた場面を思い出してみましょう。
【STEP3】やりたいこと
STEP3はやりたいこと・・・転職して何をやりたいか。興味があること。を説明していきます。
やりたいこと、今後のキャリアプランを考えていくと必然的に看護師としての時間軸は「未来」となっています。
ここでの「未来」は仕事の未来とプライベートの未来の2つを整理していきます。
仕事の未来
看護師としてどのような未来やキャリア形成を考えているか整理しましょう。
- 看護師として尊敬している人や憧れている人はどんな人?
- 今後やりたい・挑戦したい看護は?
- やりたい・挑戦してみたい分野や科は?
- 看護師として何か成し遂げたいことはある?
- 年収はいくらい欲しい?
この辺りを整理しましょう。
プライベートの未来
人生では仕事とプライベートは表裏一体です。プライベートの未来も同時に考えて整理することも重要です。
- 結婚はしてる?それともこれからする予定?
- 子供はいる?いるなら何人?
- 住んでいる場所は?
- 持ち家?マンション?それとも賃貸?
- 休みは何をして過ごしたい?
- 資産(貯金や運用含む)はどれくらいを目標にしてる?
大きい枠ではこのような感じでしょうか。プライベートの考えていることを書き出してみましょう。
【STEP4】できること
STEP4はできること・・・今の自分が出来ること。得意なこと。得意な領域。を説明していきます。
【STEP2】振り返りで整理した看護技術やスキルを含めながら、下の軸で整理してみましょう。
- 保有資格やスキルは?(例)保健師、助産師、学会の資格、研修認定スキルや終了証、その他の国家資格や民間資格などなど。
- 仕事で会得したスキルは?(例)WordやパワポなどのPCスキル、コミュニケーションスキル、業務を効率化できるスキルなどなど。
- 自分の性格でできることは?
- 看護技術で具体的にできることは何か?
ここで重要なのがスキルや技術を整理するだけでなく、自分自身を客観視して自分がどのような看護師タイプなのかを振り返ること。
例えば・・・
- 職人タイプ:コミュニケーションは苦手だけど看護技術が得意でそのほかの業務も終わらせるのが早い。大体定時で帰れる。
- コミュニケーションタイプ:仕事は遅いけど患者とのコミュニケーションが得意で他の看護師に知らないような情報を聴きとれる。
- 電子機器に強いタイプ:パソコン関係やその他の医療機器に強く他の看護師から「〇〇さんこれどうやるの?」と頼られる。
- 患者に好かれるタイプ:患者やその家族を取り入れるのが得意で指名されることが多い。
- 視野が広いタイプ:担当患者以外の患者の状況や他チームの同行をなぜか・いつのまにか把握している。周りを見て動ける。
などなど、一概にどれか一つに当てはまっているとは限らず複数に該当しているかもしれません。
自分が何系の看護師か調べる方法があります。
自己分析ツールを使って自分の強みを調べる
自分の強みを明らかにする自己分析ツールとして有名なリクナビNEXTの《グッドポイント診断》はオススメです。
問題数が293問もあるため、所要時間が30分目安となかなか骨が折れますが18種類の中から最終的に自分の強みを5ピックアップしてくれます。
この5つの強みを自己PRや志望動機にも活用できるのでオススメです。
【STEP5】求められていること
STEP5は求められていること・・・自分に求められていることは何か。を説明していきます。
いままでのSTEPは主語が全て自分でした。最後のSTEPは逆に相手側(応募先)が求める人材を把握しておきましょう。
「求められる人物」「あなたがすべき仕事」を見つけるということです。
視点としては・・・
- 応募先の病院やクリニック、施設の要望
- 看護師として求められている必要な看護技術やスキル
が何かを意識することが重要です。
なぜ相手側の求める人材を知る必要があるかというと、いざ就職してみて・・・
イメージしていた仕事内容よりも、難しいことや苦手な要望を要求してくるな~。
ということになりかねません。つまり、お互いがWin-Winな関係を構築することで転職活動は失敗を避けることができるのです。
ただ、世の中は基本的に慢性的な人手不足なので基本的には以下のことを求められていることが多いです。
- 基本的な看護技術ができる
- 基本的なコミュニケーション技術ができる
基本的な事なので看護師として普通に働いていればどなたでも習得している技術です。
【STEP4】と照らし合わせて相手側(応募先)の求める人材と、自分ができることの乖離を小さくすることがコツになります。
もちろん、未経験の全く新しい分野に飛び込むことも看護師としてのキャリア形成にはメリットにもなるので、いかに自分が納得していけるかがポイントとなります。
ちなみに僕は訪問看護ステーションに勤務していますが、訪問看護は看護学生の実習以来のことだったので未経験の分野に飛び込んだことになりますね。
まとめ
自分にベストな職場を探すことはなかなか難しいことかもしれませんが、今回の記事を参照すれば自分の描いていた職場と実際の職場のギャップをなくすことができると思います。
今回の記事を要約します。
<自己分析をするメリット>
- 自分の強み・弱みを知れる
- 自分の看護観に気づける
- 自分の嫌い・苦手を知りそれにかける時間を最小限にできる
- 自分に合った転職の条件を明確化することができる
- 将来を考えるキッカケになる
- 履歴書や面接対策になる
<具体的な自己分析方法STEP1~STEP5>
【STEP1】
転職したい理由を明確にする。
ここで重要になってくるのが転職目的の明確化です。
目的を明確にしないと、「なんとなく嫌だから」「もうちょっと楽な職場がないかなー。」という軽い気持ちだけで転職活動を進めてしまうと、結果無意味な転職を繰り返してしまいます。
そのため、最も大事な土台である転職理由を整理するには1日以上の時間をかけてじっくりと整理しましょう。
【STEP2】
振り返り。
これはシンプルで看護師としての経験や仕事について振り返っていきます。
とっても簡単で、下の項目ごとに洗い出していくだけです。
- 新卒で初めて就職した病院
- 今まで仕事をしてきた職場
- 勤務地
- 経験のある科や領域
- 看護師としてのブランク歴、産休・育休時期と期間
【STEP3】
やりたいこと。
STEP3はやりたいこと・・・転職して何をやりたいか。興味があること。を説明していきます。
やりたいこと、今後のキャリアプランを考えていくと必然的に看護師としての時間軸は「未来」となっています。
ここでの「未来」は仕事の未来とプライベートの未来の2つを整理していきます。
【STEP4】
できること。
- 保有資格やスキルは?(例)保健師、助産師、学会の資格、研修認定スキルや終了証、その他の国家資格や民間資格などなど。
- 仕事で会得したスキルは?(例)WordやパワポなどのPCスキル、コミュニケーションスキル、業務を効率化できるスキルなどなど。
- 自分の性格でできることは?
- 看護技術で具体的にできることは何か?
自分の強みを明らかにする自己分析ツールとして有名なリクナビNEXTの《グッドポイント診断》はオススメです。
【STEP5】
求められていること。
いままでのSTEPは主語が全て自分でした。最後のSTEPは逆に相手側(応募先)が求める人材を把握しておきましょう。
「求められる人物」「あなたがすべき仕事」を見つけるということです。
お互いがWin-Winな関係を構築することで転職活動は失敗を避けることができるのです。
最後に
こちらの記事を読んで下さり本当にありがとうございます。こちらの記事が微力ながら少しでもお役に立てたなら、とてもうれしく思います。
転職活動を成功させるためには、まずは「自分を知ること」が最も重要になります。
これからも、みなさまのタメになるような記事を頑張って作成しますのでどうぞよろしくお願い致します。