「辞めたい理由は正直に言わないと法律的にダメなの？」
「バレないようなおすすめの退職理由の嘘はある？」
この記事ではこのような疑問を解決します。
看護師が師長に嘘の退職理由を伝えても法律的に大丈夫？
今の職場を辞めたいと思ったとき、退職したいと思った正直な理由・本音は人それぞれ異なります。
中には、言いにくい理由や伝えてしまったら明らかに引き止めに合うのが目に見えている理由が本音も方もいらっしゃると思います。
そんなとき、退職理由の建前として「嘘の退職理由」を師長に伝えてしまってもいいんだろうか？と考えていると思います。
結論から伝えると、「嘘の退職理由」を伝えても全く問題ありません！
退職理由が嘘でもいい根拠となるのが法律です。民法と労働基準法に明確に退職について記されているからです。
退職の自由
＜期間の定めのない雇用の場合（民法第627条第１項）＞
・労働者には「退職の自由」がある。そのため、退職を希望する労働者は自由に退職することができ、退職の意思表示から２週間が経過すると雇用関係が終了（＝退職）する。
＜期間の定めのある雇用の場合（民法第628条）＞
・労働者の「退職の自由」そのものが否定されている訳ではないが、労働者からの解約（＝退職）の申入れについては「やむを得ない事由があるとき」に制限されている。この場合、退職の理由が「やむを得ない事由」に該当すると判断されるかどうかは個々の事例によるため注意が必要である。なお、１年を超える有期労働契約の場合で、契約の初日から１年を経過した日以降は、いつでも退職することができる（労基法第137条）。
引用：日本労働組合総連合会（退職の自由）
みんな退職理由に嘘をついている！？
下の図は「天職Hacks」実施したアンケートで退職経験のある1162人に嘘の退職理由を伝えたことがあるか？というアンケート調査です。
引用：退職時に「嘘の退職理由」を伝えている人は、どれくらいいる？
嘘の退職理由を伝えた人が41.7%いることがわかります。
つまり、約2.5人に1人が退職理由に嘘を言っているということ。
退職理由に嘘をつく際の注意ポイント
退職理由に嘘をついてもいいことは分かったけど、注意すべきことはありますか？
嘘の退職理由や全部が全部嘘ではないけど、退職理由を一部着色したり盛っている場合は以下の３つに注意するべきです。
- すぐにバレるような嘘はつかない
- 嘘を突き通す
- 矛盾しないような言動を心掛ける
すぐにバレるような嘘はつかない
嘘の退職理由で辞める場合の一番注意しなければいけない点として「バレない嘘かどうか」ということです。
例えば・・・
・転職先が決まっていると伝えたが離職票の発行を依頼してしまった。（転職先が決定していて離職期間がない場合は一般的に発行不要）
・引っ越しをして通勤するのが辛いと伝えたが実際にはまだ引っ越しをしておらず職場の人間に見つかった。（寮や職場から近隣に住んでいる場合は注意が必要）
などが挙げられるでしょうか。その他にも、ご自身の職場で普段からしているプライベートな話から退職理由が矛盾していないかなども考慮しておきましょう。
すぐにバレる嘘をつくと退職がスムーズにいかずに円満に退職することが難しくなります。そのため、なるべくバレることがない嘘を退職理由にしておきましょう。
嘘を突き通す
職場に関係する人間には嘘を突き通しましょう。
これにはある程度の覚悟が必要です。覚悟というのは、職場の人たち全員に嘘を突き通すので人によっては自ずと「背徳感」を感じてしまいます。
それでも、矛盾しないように噓を突き通す覚悟が必要となります。
仲のいい同期や先輩後輩だろうが、「師長に嘘の退職理由を伝えてきた～。」なんて言ってしまっては絶対にダメです。
みなさんも経験があると思いますが、看護師の世界は光の速度以上に「噂」の伝わる速度は速いです。
どこからか漏れて、職場スタッフ全員に広がり退職日まで気まずい環境で仕事をしていく羽目になってしまいます。
嘘をつくなら職場全員に対して嘘をつくことを徹底しましょう。
どうしても誰かに話したくなったら、プライベートでも仲のいい1人～2人くらいにしておきましょう。
矛盾しないような言動を心掛ける
退職理由と言動が矛盾しないようにしましょう。
行動や発言に矛盾が生じてしまうと勘がいいスタッフから「んっ？あれ？」って思われてしまいます。
嘘と矛盾しないような行動と発言まで意識がまわらないかもしれない。
そのような方は、退職理由の100％を嘘にするのではなくて事実と嘘を織り交ぜるのがおススメです。
例えば・・・
- 結婚するのは嘘だけどパートナーと同棲するのは事実。
- 親はピンピンしてて介護なんて必要ないけど、しばらく仕事はしないでゆっくり家で過ごすのは事実。
- 引っ越しはまだしていないけど、退職した後に引っ越しするのは事実。
嘘と事実を織り交ぜるなんて小難しいことを伝えましたが、こんなシンプルで大丈夫です。
仕事の休憩中や雑談中にポロっと、矛盾するような発言をしないように注意しながら、どのような設定にするのか時間をかけて考えましょう。
ブラック総合病院から転職した僕も嘘と事実を織り交ぜました。
嘘というかかなり盛った設定にしましたね。後ほど、内容をお伝えします。
看護師におすすめの嘘の退職理由５選
退職理由に嘘をついてもいいことは分かったけど、具体的にどういう嘘の退職理由がおススメなのか知りたい。
絶対に辞めたいと思っている方におススメの噓の退職理由は以下の5つです。
- 体調不良のため。
- 結婚や出産、育児のため。
- 親の介護のため。
- 夫や家族の引っ越しのため。
- スキルアップのため。
一つずつ解説していきます。
①体調不良のため
現在の職場で仕事を継続していくうえで、精神的・身体的に辛く、すでに休みがちになっている方におススメの退職理由です。
ただ、この退職理由を使用する際には注意が必要な点が1点あります。
それは、診断書の提出を要求されます。
体調不良を理由に退職する際には医師が発行する診断書の提出を求められます。
しかも診断書の発行にはお金がかかります。
金額は地域や医療機関、記載内容によって差がありますが約2000円～約10000円くらいです。（全国平均は2500円くらい）
また、保険適応外のため全額自己負担となる点も把握しておきましょう。
過去に診断書を提出したことがある方にとってはオススメの退職理由でもあります。
②結婚や出産、育児のため
看護師の退職理由で最もポピュラーな理由です。
看護師は依然、女性社会でもあるのでこちらの理由が退職や転職の理由のウェイトを大きくとっているのも理由の一つです。
ただ、注意点としては師長から「育休をとってもいいけど短めにして早めに復帰してほしい。」「結婚だけなら辞める必要はないんじゃない？」
と引き止めに合う可能性もあります。
そのため、結婚や出産を機に退職する際には家庭に入るというのがポイントです。
これは本人の意思だけでなく、家族の意向も含んでいるため退職を引き止めにくくなります。
それでも、看護業界は人手不足。また、看護師は女性社会でもあるため師長からするとこちらの退職理由は言われ慣れている可能性もあります。
そのため出産後の復職やパート勤務を勧められたときは「配偶者に専業主婦（主夫）になることを求められている」
と伝えましょう。性格の悪い師長だったら嫌味っぽく言われる可能性もありますが、退職するために軽く流しましょう。
また、「結婚後に引っ越しをする予定で距離的に通勤が難しい。」と付け加えるのもおススメです。
③親の介護のため
30歳～40歳代の看護師にオススメの退職理由です。
自身が30歳～40歳ごろになると両親も実際に介護が必要になっている看護師もいるのが現状です。
また、親が体調不良になりがちだったり、何かの疾患で通院を実際にしている親がいる際に特におすすめです。
病院側も事実確認することはしないですし、引き止めにくい退職理由です。
注意点としては、親戚が病院にいたり職場が近所の場合は介護すると言って実際にはピンピンしていたら嘘だとバレてしまうので注意が必要です。
また、偶然親のかかりつけがあなたの勤務している医療機関の場合にもバレる可能性が高いので避けておきましょう。
④夫や家族の引っ越しのため
通勤が困難な距離や、通勤するのが大変な場所に引っ越すといいう退職理由もオススメです。
病院側もわざわざ引っ越し先の特定なんてしないので、おすすめの退職理由です。
注意点としては、職場の人が近くに住んでいるが挙げられますが、それはすでに退職後の話ですし、仮に言い訳するとしたら
「引っ越す予定が延期になった。」や「急遽引っ越しする必要がなくなった。」など言い訳に使えるので大丈夫です。
⑤スキルアップのため
今の職場で経験や学ぶことが難しいスキルを会得したいために退職したいというのもおススメです。
こちらのオススメの一番の理由は他の退職理由と違って「ポジティブ」だからです。
看護師としてスキルアップする前向きな理由なので引き止めに合いにくいです。
ただし、今の職場で学ぶことが難しい専門的なスキルアップにしましょう。
なぜなら、会得したいスキルが病院内の異動でどうにかなりそうな場合「部署異動をすればわざわざ辞めなくてもいいじゃない？」と引き止めに合います。
師長から「なぜそのスキルを学びたいと思ったのか。」と言ったことを質問されるので答えられるように、ある程度準備しておきましょう。
管理人naoが実際に師長に伝えた退職理由
看護師にオススメの嘘の退職理由５選をお伝えしましたが、100％全てを嘘にしてしまうと矛盾を発生させないようにしなくてはなりません。
僕のオススメとしては、嘘を50％くらいにしておくことです。
どういうことかと言うと、「事実と嘘を織り交ぜる」事で半分は事実のため背徳感もほとんど感じませんし、矛盾も発生しづらいです。
ここでは私が実際に師長に伝えた退職理由をそのままお伝えしますね。
【師長面談で伝えた退職理由】
今年度で退職をしたいと思います。理由は２つあって、１つめは通勤が大変な距離に引っ越しをすること。２つめは訪問看護を経験したいからです。
＜引っ越しについて＞
子供が産まれていまの住宅が小さくなったので妻の実家の近くに引っ越しをすることになりました。
ただ、この職場からは距離的に通勤するのが毎日通勤するのが大変です。
＜訪問看護について＞
病院に来院する患者しか知らないのは、看護師の経験を積んでいくうえで視野を広げる必要があると思い訪問看護への転職をしたいです。
僕が師長に伝えた退職理由は上記の通りです。
訪問看護への転職は看護師として「ポジティブ」な退職理由ですよね。
師長からは、地域連携室への異動を勧められましたが「訪問看護とは別物」なのでお断りしました。
まとめ
退職理由に嘘をつくときには、100%嘘にするのではなく嘘の割合を50%くらいにして「事実と嘘を織り交ぜる」のがポイント。
退職理由は、できるだけ看護師としてスキルアップをしたいなど「ポジティブ」な要素を入れると引き止めに合いずらいです。
この記事で紹介したオススメの退職理由は以下の通りです。
- 体調不良のため。
- 結婚や出産、育児のため。
- 親の介護のため。
- 夫や家族の引っ越しのため。
- スキルアップのため。
最後に
最後まで記事を読んでくれて本当にありがとうございました。
退職理由を師長に面談で伝える瞬間はとっても緊張するし、初めての方は特に精神的に負担が大きいと思います。
僕もとっても緊張しました。
今回の記事が、退職理由を決める何かの役に立っていただけたならば幸いです。
今後とも、みなさんが有益となる記事を作成していきますのでどうぞよろしくお願い致します。